強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

6月7日

部屋に帰宅するとポストは広告でいっぱいだった。

それはお弁当やジム、そして家や土地を売る不動産屋の広告だった。
そこには「その家賃誰のため?自分のために払いませんか?」と、まるでパパとして若い女に部屋を与えているかのような言葉が書かれていた。
まぁ持ち家はたしかにいいかもなぁ、とも思ったがなかなか現実は難しい。
実はひそかにブログにも書かずにこそこそ職探しもしてみるがなかなかうまくはいかないもので、今も一つ進めているけどすでに二週間連絡がない状態だった。

ぼんやりと広告を読んでいたら窓の外から鼻歌と口笛が聞こえてきた。
その音の出処はアパートの裏の一軒家の奴だった。
姿はガラス越しにしか見たことないが、いつも奴はご陽気にシャワーを浴びながら口笛を吹いていた。
それはまるで一軒家はいいぞ、という風にも聞こえるが、それとは逆に気楽にいけよ、という風にも聞こえた。
あまりにも奴が機嫌よく口笛を吹いているものだから思わずふふっと笑ってしまい、そうだよな、と広告を横に置いて気分を切り替えて夕飯を作ることにした。

今日は鰹のたたきと鰆の切り身がどちらも半額になっていたので迷った挙句、思い切ってどちらとも買って帰ってきた。

まず鰆の方を調理する。
鰆は今日食べるのではなく、味噌に二、三日漬けて西京漬けにするのだ。
最初に鰆に塩を振り30分ほど置いておく。
そしてその間に西京味噌はないので自家製味噌を調整する。
壺から味噌を100gくらい取り出し、そこに砂糖、酒、味醂を大さじ1ぐらいで砂糖をちょっと少なめに入れて混ぜる。
塩をして30分たった鰆を水分を拭き取って全体に味噌を塗りラップで包み、冷蔵庫に入れておけばあとは勝手においしく出来上がる。
本当に単純なやつだ。

鰹のたたきはもう焼いてあるので、あとは切って、玉ねぎも薄切りにして水にさらし、にんにく、大葉も全部薄切りにして、鰹に乗せたら出来上がり。
ポン酢は切らしているので代わりに出汁醤油を使う。

Financial Times
Russia set off 'environmental bomb' by breaching dam, Zelenskyy claims
ロシアはダムを破壊することで「環境爆弾」を爆発させた、とゼレンスキーは主張

そういえば今年鰹を食べるのは初めてでこれが初鰹だった。
玉ねぎらに鰹を乗せ醤油を垂らし口に入れると春の鰹らしいクセの少ない味でそれに香味の爽やかさとシャキシャキした歯触りが合わさってうまい。
そして日本酒にも当然しっかり合っていた。

夜も更けてきて虫の声が聞こえてくる頃にまた奴の声も聞こえてきた。
「おら、おら」とか「あぁー」だとか。
なにかに悪戦苦闘しているらしかった。

そうか、誰もがそれぞれに負けられない戦いがあるのだ。