強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

1月2日

The beginnings of all things are small

砥ぎ初めをした。

今はまだおせち料理とお餅がたくさんあって、毎食それを食べているので包丁を使うことはないけれど、用事も特になく手に余る時間がこぼれてしまいそうだったので包丁の砥ぎ初めをしてみた。

言い方は悪いが実は砥ぎ初めでなくとも”ゾメ”だったらなんでもよかった。
男にはそういうタイミングってものがある。
ひょっとしたら女の人にもなんでもいいやってことがあるのかもしれない。
大抵の人が計画的に、そして社会の中でなるべくちゃんとしていようと努めて暮らしている。
でもたまには、そういうことが嫌になったわけでも壊したいわけでもないけれど、そういうこととは別に理知的な考えなしにやりたいことをやりたいようにしたい、そんな瞬間があると思う。
やっぱりいつでもは理性の従者ではいられないのだ。

そして今日の自分もそうだった。

洗濯機の回し初めでもいいし猫の撫で初めとかでもよかったのだが、回し初めはやっぱり正月早々に機械を動かすのに少し躊躇してしまい、撫で初めは猫がいないから無理だった。
手近で都合のいいのを選んだといえばそうなのだが、年末に根菜などいろいろ切った時に包丁の切れの悪い部分があって気になっていたので、それもちょうどよかった。

しかし、行きずりというか行き当たりばったりというか、そういう勢い任せな部分があったにもかかわらず結果的にとてもいいものになった。
刃物の曇りは心の曇り、曇りが取れて切れるようになるのはいいことで、でもそれとは別に、今日何かをはじめた、ということに意味があるような気がした。
中身があってもなくても今日何かをはじめたこと自体がよかった。
言ってみればゾメ初めになったのではないだろうか。

The Times
Young British men are lured to influencer’s porn empire
(若い英国の男たちはインフルエンサーのポルノ帝国に誘惑されている)

今日とりあえずゾメたので、これをきっかけとして明日からも臆することなくいろいろなことをゾメていけたらいいと思う。

明日はもちろん洗濯機も回し初めをするし、猫を見つけたら撫で初めをしてもいい。
あるいは英国の若い男の子たちと共に子猫に誘惑初められてもいいかもしれない。

Hello Kitty!