強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

1月3日

The ship sets sail

あんなにたくさんあると思っていたおせちがあっさりと無くなってしまった。
正確にいえば黒豆とごまめはあと少しだけ残っているけど、他のものはもう全部食べてしまった。
おせちが次々なくなっていくとその分お正月が終わっていくようで少し寂しい気持ちになる。でも、一方でいつまでもお正月を引きずってばかりもいられないというのも事実で、ぼちぼちと動かないと今日の夕飯すらないので、買い出しに出かけた。

まだ三が日のうちなので道路自体にはそこまで車は多くなかったが、お店に着くとみんなもうずうずしていたのか2023年が盛大に始まっていた。
駐車場には多くの車で混雑していて、それを警備員が滞らないように上手に2023年を整備していた。

店内に入るとお正月の食べ物に飽きたのか、ドーナツ屋とアイスクリーム屋にたくさんの人が列をなして並んでいた。
お正月に帰省など密度の濃い生活を送った人たちが、真ん中のぽっかり空いたのんきな、風通しのいいドーナツを欲しているのだろうか。
あとアイスクリーム屋は大晦日の方があっているような気がした。

店の真ん中あたりにある催事場には占いの催し物をしていて、8卓のテーブルそれぞれに占い師が座って占いを行っていた。
テーブルの横には宝石占いとかマヤ暦占いなどと書かれた張り紙が貼ってあった。
自分自身は占い自体にあまりなじみがないのだが、それにしても新年入って早々誰かを占うのは、なかなか肝が据わっている仕事だ。悪気がなくてもカードが今年一年最悪の占いを出してしまうこともあるだろう。その時に自分ならお客にそれを伝えることができるだろうか。新年だからと少しサービスしてどんな占い結果でも前向きなことを言ってしまうのではないだろうか。
そんなお調子者に占い師なんてとても務まるわけがない。
そう考えると占い師こそ過酷で孤独なものの一つなのかもしれないと思えた。

食料品売り場にはすでにお正月の影はあまりなかった。
相変わらず切り替えが早い。
七草粥のセットがもう売られていたし、さらに恵方巻のポスターも貼ってあった。
お正月らしいもので見掛けたのはお寿司とお刺身がたくさんあったのと、だし巻き卵とグリルチキンの組み合わせのパック、そしてなぜかホタテの照り焼きに寿マークのシールが貼られていた。

The Financial Times
UK recession will be deepest and longest, say economist
(英国の景気後退は最も深刻で最も長いものになる、とエコノミストは言った)

おいしそうなものは色々あるが三が日の締め括りに食べる、これだという献立はなかなか決まらなかった。
何にしようか店内をグルグル回っているとふとBGMに耳がいき、そこにマイムマイムが流れていることに気が付いた。
マイムマイムは年末年始がそろそろ終わっていく合図のようだった。

結局夕飯はかつおだしを利かした辛めのカレーうどんにした。