強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

6月18日

気が付けばずいぶんと静かだった。

車の走っている音もしないし虫の音も聞こえてこない。
たまに鳴る冷蔵庫のブーンというコンプレッサーの音だけが際立っていた。

静かなのだから気にしなくてもいいはずなのに、気が付いてしまうと逆に気になる。
少し外の様子でも見に行ってみようと靴を履いて玄関の扉を開いた。
するとふわっとした気持ちのいい風が入ってきた。
昼過ぎに外に出たときはまだ気温が高かったのが、夜になってだいぶ涼しくなっていた。
朝から何時間も大豆を煮込んでいたから、部屋にまだ熱気が籠っていたのかもしれない。

外をぶらぶら歩くとやっぱり風が気持ちよかった。
空を見上げると星は出ていたけれど、月はどこにもなかった。
街中に過剰なくらい街灯が設置されているせいで全然暗くはないけれど、ただ月のない空はどこか物足りなかった。
虫はどうやらそれとなく鳴いているようではあるが、どことなくいつもの元気がないようにも感じられる。
通りを走る車もあんまりなかった。
日曜日の夜だからみんな明日に備えてゆっくり過ごしているのかもしれない。

The Wall Street Journal
No one is looking forward to next year's election
来年の選挙を楽しみにしているものは誰もいない

うろちょろ散歩していると遠くでスーツケースを引くガラガラガラという音がした。
どこかに旅行に行った帰りなのか、それとも今から出発なのかはわからない。
どうやらずいぶん遠くを歩いているらしく引っ張る人の姿は見えなかった。

アパートに戻り部屋の扉を開けると中は相変わらずムワッとしていて、入るのに一瞬躊躇した。
窓辺に近寄りカーテンを開けると誰かがゲームをしている声が聞こえてきた。

この世の中には日曜日も戦っている人もいるのだ。