強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

6月23日

朝起きたら体中がバキバキに痛んだ。

それは重力に逆らった罰だった。
たった1分そこそこなのにこの仕打ちだ。
腕と肩が張っているのは、まぁわかる。
それ以上に背中全体が筋肉痛になっている。
さらにお尻の横の筋肉までもが痛くなっていた。
こんなに頑張ったにもかかわらず相変わらず目は赤く、地球は青かった
それだけだらけた生活で体中が鈍っているのだろう。
これはひょっとしたら、毎日逆立ちをするだけで体が引き締まり、筋肉が付いたりするんじゃあないだろうか。
たった一つの動きで腕、肩、背筋、大殿筋と一気に鍛えられる効率のいい筋トレなんてあるのだろうか。
これならまだ夏に間に合うかもしれない、そんな淡い期待を抱かせた。

今日はこれだけ筋肉を傷めつけたので、たんぱく質を得るために肉を大いに喰らってやろうと決めた。
スーパーとかいろんなものが売っている店だと他の物に目移りしてしまうので、今日は肉屋に向かった。

近所の肉屋に歩いていくと、駐車場には若いガードマンが立っていた。
ガードマンがいるなんて人気がある肉屋なのだろう。
ガードマンは体が大きくて腕も太く、浅黒く日焼けをしていて、帽子の後ろから伸びた金色の髪の毛が飛び出していて、右手に持った赤い誘導灯を左手でポンポンとさせている、アメリカンポリスみたいな男だった。
やっぱり肉屋のガードマンはこういうたくましい男がよく似合っていた。

店に入ると人がたくさんいてやはり賑わっていて、みんな肉の入ったパックをたくさん手に取っていた。
BGMにはビートルズが流れている。
アメリカンポリスの趣味なのだろうか。

店内には牛、豚、鳥、モツ、ミンチいろいろな肉が売られていた。
ショーケースには牛肉の大きな塊もいくつも並べてある。
どれもおいしそうだったが、今日は筋肉の為に来ているのだ。
舌を喜ばすためじゃあない。
筋肉へのご褒美だ。
そう言い訳を口ごもりながら、鶏肉に目をやった。
筋肉のためには鶏のむね肉かささみがいい。
でもこれだけの肉を目にしながらむね肉やささみではあまりにも寂し過ぎた。
今日はせめてもも肉でチキンステーキをいただくことにしよう。
他のはまたいつか買いに来よう。
あの牛肉の塊なんてサシが入っていて、すき焼きなんてしたらおいしいだろう。

外に出るとアメリカンポリスは次々と入ってくる車をうまく誘導していた。

The New York Times
Debris suggests 5 aboard submersible were lost in catastrophic implosion
残骸は潜水艦の乗員5人が「悲劇的な爆発」で亡くなったことを示唆している

買ってきた鶏のもも肉を広げ、皮を包丁の先で何か所か突き差し、一枚全体に塩を振って常温に小一時間置いておいた。
その後出てきた水分を拭い、もう一度軽く塩と胡椒を振って、油とにんにくと月桂樹の葉と一緒にもも肉を皮目からフライパンに入れて、弱火でじっくりと焼いた。
ステンレスのボールに水を入れて重しにして、焼いているもも肉の上に置いた。
10分ほどで裏返してまた焼く。
いい塩梅に焼き上がったら包丁で食べやすい大きさに切り分けた。

あぁ、うまい。
弱火でじっくり焼いたので柔らかくジューシーに仕上がっていた。
筋肉痛の体に染みていく感じがした。
やっぱりこういう時は肉がしみじみとおいしい。
鶏肉でも十分に満足できた。

でもアメリカンポリスにはやっぱりビーフステーキが似合うんだろうな。