強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

8月16日

台風が通り過ぎた。

気温もだいぶ落ち着いてきていて夏の真っ盛りはもう過ぎていた。
そのせいか蝉の声も急に聞こえなくなっていた。
お盆の間にひっそりと寿命を迎えたのか、それとも夏の終わりを悟ってどこかへ行ってしまったのだろうか。
ひょっとしたら台風の風で飛ばされてしまったりとかもあるのか。
よく考えてみればあんなに目立っている蝉なのに最後がどうなるかを知らなかった。

涼しいうちにいろいろと行動をし、8時過ぎに土を捏ねた。
急須ではないお茶を煎れるモノを作ろうと筒状に土を積み上げた。
あれやこれや考えていると急に胸のあたりが詰まったような感覚があった。
しばらく気にせず土を触っていたがなかなかその感覚は治まらなかった。
まるでざる蕎麦を慌てて飲み込んだようなあの感覚だった。
どんどん苦しさを覚えついには土を触っていられなくなった。
立ち上がってどんどんと胸のあたりを叩いてみたり、お茶を飲んだりしてみるも一向に治まる様子がない。
そのうち腕がとても怠くなり下に下ろしたくなった。
布団に寝転がり腕をだらんとさせた。
そして深く呼吸を続けた。
いろいろと楽な姿勢を探してみてもなかなか胸の詰まりは治まらない。
そっと静かに時が過ぎるのを待つしかなかった。
遠くで救急車のサイレンの音が聞こえた。
夏に入ってから毎日少なくとも3,4回ほど救急車の音を聞いている気がする。

すーっと大きく息を吸い、同じだけすーっと息を吐いた。
しつこく何度も何度も繰り返しているとようやく何とかなりそうな予兆がした。
しばらく目を瞑りじっとしているとすっと息が抜ける感覚がした。
そうしてやっと詰まりが治った。

随分と長い時間だったような気がした。
時計を見ると10時を回っていた。
おそらく30分ほど横になっていたようだ。

The Japan Times
Japan marks 78th anniversary of the end of World War Ⅱ
日本、78回目の第二次世界大戦終戦記念を迎える

昼を食べしばらく様子を見ていたが大丈夫そうなので朝作れなかった分また土を捏ね出した。
15㎝くらいの壺を作った。
夏の亡骸を入れるのにぴったりな大きさだった。