強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

12月10日

Compound interest is man's greatest invention

起きた時には大豆はもうすっかり膨らんでいた。
一粒手に取り、指で摘まんでみると、昨晩とは打って変わって大豆は程よい弾力を持ち合わせている。
パンパンになった大豆を鍋に入れて水をヒタヒタに注いだ後、ガスコンロで一度沸騰させてから火の点いたストーブの上に載せておいた。
そして珈琲を淹れて音楽を聴いた。
大豆を煮たら作業の半分終わったようなものだ。
あとは大豆のいい香りと音楽でも楽しんでいたらいい。

実は味噌を作るというのはとても簡単で、大豆を煮て潰して、そこに麹と塩を混ぜるだけなのだ。

アインシュタインは言った「複利は人類の最大の発明である」と。

複利というと借金でおなじみの憎たらしいイメージか、巷にあふれるフィナンシャルプランナーの小賢しいイメージしかないが、実は発酵こそ最も身近で最も最大の複利なのだ。他の複利は損する可能性を巧みに隠しているが、発酵は損なんてしない得しかないのだ。
今日漬けたものが明日、一週間、一か月、半年と何倍にもなって返ってくる。

味噌作りを難しいと思ってしまう原因として、よく意識高い専門家がしっかり除菌をして作れだとかいろいろ難しく語っているが実際はそんなこと一切気にしないでも作れるのだ。
たしかにカビは少し生えることもあるけど、そんなケツ毛みたいにビッシリ生えないし、生えたとしてもキッチンペーパーなどで拭えばいいだけの話なのだ。
昔の人たちはみんな当たり前に自分で作っていて、手前味噌という言葉があるように自分の味噌にとても愛着を持っていた。
それは逆に言えばみんなが自分の味噌が一番だと思えるくらいに上手に作れるということでもある。
そして実際に上手にできるし、愛着も出る。

4、5時間ほどストーブでコトコト煮た大豆は指で一粒持って力を加えると、あの頃の夢みたいに簡単に潰れるくらい柔らかくなっている。
そしたら大豆を取り出し自分にとって都合のいいやり方で気が済むまで潰す。
気が済んだら麹と塩をしっかりと混ぜ合わせそこに大豆も加える。
混ぜ合わせた後、一旦いくつかの団子状に丸めるのだが、そのまとまりが悪そうなら茹で汁を少しだけ混ぜると丸めやすくなる。
そしてその団子を壺あるいは好きな容器に入れる。その時空気が入る隙間をなくすようにしっかりと押し付ける。
すべて入れ終わったら空気が触れないように表面にラップをし、内蓋を置いたら上からおもしを乗せる。
おもしはなんでもいいけれど、ある程度重量があるほうがよさそうだ。
自分は川沿いで拾ってきた中ぐらいの石を乗せている。

これでできあがり。
あとは適当に放っておくだけだ。

New York Times
A chatty Putin's underlying message : I'm still in charge
(打ち解けたプーチンの根底にあるメッセージ「私がまだ責任者である」)

今回の作った材料は大豆480g、麹500g、塩200gで作った。
この分量は決まっているわけではなく売っている量がこれだった。
大豆は壺に入りそうな量が500gで前回の春に作った時の入らなかった余りと今回買ってきたものを合わせた分量だった。
この分量をいろいろ変えると味噌に変化がありおもしろそうなので好きに変えていいと思う。
今回作るにあたって一応手は洗ったけれど、アルコール消毒やビニール手袋等は使っていない。
前回も問題なかったので今回もそうした。

あとはシベリアの熊みたいに春を待つだけだ。