強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

7月12日

ついに蝉が鳴き出した。

朝の涼しい数時間だけだけれどニイニイゼミの鳴く声が聞こえていた。
日が昇り気温が上がり始めるといつの間にか聞こえなくなっていた。
ニイニイゼミは暑いのが苦手なんだろうか。
ニイニイゼミの鳴き声はあまり暑苦しさを感じさせない。
それどころかちょっと小ざっぱりしたところもあるくらいだ。
床屋に行きたての刈り上げが似合いそうな雰囲気だった。

今日は暑くなると思われたけど不安定な一日で、夕方には蝉の鳴き声の代わりに激しい夕立や大きな雷の音が響いていた。

夜は包丁を使い倒してやろうと思っていた。
包丁といえば強盗か野菜炒めだろうと思う。
とんとんとんと小気味よく千切りとかしたら包丁の醍醐味が堪能できそうだ。
そう思いながらスーパーに行った。
入り口を入ると最初の生鮮コーナーの目立つところにバナナが並べてあった。
いつもたくさんの種類のバナナが置いてあるが、今日は見慣れない段ボールに1/2房ずつドスンと置かれているものがあった。
それが10本近くのバナナが付いていて120円の値段だった。
おぉ、どこかのフーテンが売りに来たのだろうか。
思わずそのバナナを手に取ると、10本のバナナは大きく野球の外野手用のグローブくらいの迫力があった。
あまり売れていないようでまだまだたくさんある。
一人暮らしでサルも飼っていないし、10本はなかなか減らないと思われたけれどあまりにも安く感じられたので一組籠に入れた。
野菜もまだ買っていないのに、何かそれだけでいい買い物をしたような気になってしまった。
だめだ、今日は野菜を買いに来ているのだ。
またウロウロ見ながら歩いていると小さいイカがパックにたくさん入って半額になっているのを見つけた。
イカという小振りなイカらしい。
なんだ今日はたくさんの量を売る日なのだろうか。
でもイカは良い。
あぁ、これはぜひ醤油と砂糖で煮付けたい。
考えただけでおいしそうだ。
もう赤目も治ったし煮付けを解禁してもいいんじゃないか。
今日はそういうことにちょうどいい日なような気がした。
7月12日が煮付けの日でも不思議じゃない気さえしてきた。

The Japan Times
'Extremely hot' summer arrives in Japan amid climate change and El Nino
気候変動とエルニーニョの中、日本に「猛暑」の夏が到来

とうとうイカも籠に入れ、他にごま油やお酒用の炭酸水、スパゲティーなどを買っているとそれだけでもうずいぶんと満足してしまった。
まぁ野菜はいつだって食べられるし、だいたい昨日までも散々食べてきた。

帰り道を歩きながら、たしか冷蔵庫に使いかけのニンジンときゅうりがまだあったはずだと思い出していた。
するとどこかの家から何かを煮ているいい香りがしてきた。
かっこいい包丁も魅力的だけれど、醤油と砂糖で何かを煮ているその香りもやっぱり魅力的だった。