強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

8月11日

朝早くに目が覚めた。

窓から吹き込んでくる風が涼しい。
隣や上下から聞こえるエアコンの室外機の音が快調に鳴り響いていて、この吹き込んでくる風もそれらが混ざっていい風になっていた。
今や風は山が吹きおろす山風と海からの潮風、そして室外機が巻き起こす疾風が合わさって出来ていた。

せっかく涼しい時間に目が覚めたので思い切って起き、バジルに水やりをした後、粘土を捏ねることにした。
朝の土いじりは涼しいうえに粘土がヒンヤリとして気持ちがよかった。

そういえば先日参加した窯づくりで参加者全員が100gのピンポン玉くらいの粘土で好きな物を作っていいというものがあった。
それを初めての窯焚きで焼いてもらえるということだった。
その時参加していた人は全員陶芸家や関係者の知り合いばかりで誰も知り合いがいないのは自分だけであった。
参加していたのは画商や会社の社長、建築関係のコンサルタント、レストランを多数経営している料理人や脚本家など、なかなかの肩書を持った人ばかりだった。
今回窯を作る陶芸家のことをよく知らなかったのだが、どうやらそれなりに名の知れた陶芸家のようだった。
少々気まずく感じられたが自分には空気を読まずに勢いでそういうものに加わってしまう悪い癖みたいなモノがあった。

そんな中で粘土で好きな物を作ったのだが、その時作ったのがいつもの壺だった。
粘土が少しだけだったので手のひらに収まるくらいの大きさの壺を作った。
それが意外と好評で、よくわからない奴が小さい壺を作っているぞと褒められた。
みんなが小さい皿やお猪口みたいなものを作っている中で自分だけが壺を作っていた。
出来の良し悪しよりも少ない量の粘土で壺を作ったということが良かったみたいだった。
まぁみんないい大人なのでうまく褒めてくれた感もあるのはあった。

壺を作っていたことがこんなところで役に立つとは人生わからないものだ。

The Japan Times
Three hurdles stand between Osaka Expo and 2025 opening
大阪万博は開幕までの間に3つのハードルが立ちはだかる

その日は昼食とさらに晩御飯までご馳走になってしまった。
しかもその料理は参加していた料理人の人が作ってくれたモノだった。
昼は手の込んだカレーにやたらおいしいジンジャーエール、夜は鹿肉のソテーや生の岩牡蠣、名前のよくわからない料理がたくさんありかなりのご馳走だった。
社長や画商たちはみんなお腹が出ていたけれど、お酒ばかりで食事はあまり食べないらしく、バイクの運転でお酒を飲めない自分が代わりにたくさんの料理を片っ端から食べていると、「フードファイターみたいだな」と言われた。
これは果たして褒め言葉になるのだろうか。
ポジティブに取るとその日は二回褒められ、反対に見る人が見たら終始空気が読めていない奴だったかもしれない。
でも個人的にはとても楽しく窯作りもいい経験になった。

ひょっとしたらまたこんなことがあるかもしれないと、今日もその時くらいの少ない粘土で壺を作った。
手の中でコネコネとやっていると土が乾いて口の部分がボロボロと割れてしまった。

どうやらこの前はだいぶ調子が良かったらしい。