強訳 -強引な翻訳-

英字新聞の見出しを一つ翻訳する日記

8月1日

今日から8月に入った。

8月の初日は気温こそ高いけれど、雲もたくさん出ていた。
でもその雲はやっぱり夏らしい雲で厚みというか密度というか濃い感じがある。
その隙間から見える青空はとても深くて、太陽が出るタイミングはとても眩しかった。
みんな屋内に避難しているのだろうか外を歩く人影はあまりなかった。

家が並ぶ路地を歩いていると前から人が歩いてきた。
若い男性だった。
手にスマートフォンを持っているのだろうか、何かを難しい顔つきで手元に視線を落としている。
その1mほどの後ろにもう一人歩いている人がいた。
女性で少し歳を召されているようで俯き加減で歩いていた。
よく見ると女性は喪服のようで黒色の服を着て黒いスカートの下に薄手の黒いストッキングを履いている。
俯き加減で寂しそうに見えるのはそういうことかもしれない。

うん?
よくよく見ると前を歩く男性も全身黒い服だ。
すぐには気が付かなかった。
二人で葬儀に参加した帰りなのだろうか。
二人の距離は身内にも思えるし、他人にも思える。
少し判断しにくい距離感だ。

でも何かちょっとおかしい。

あぁ、そうか、わかった。
男性の服が全身黒は黒なのだけれども、上の服が黒のポロシャツなのだ。
ポロシャツか。
今の時代ならそれもあるのか。
クールビズとかも最初はみんな違和感を持っていたものだ。
それが今はだいぶ馴染んできているところはある。
だから葬式にポロシャツで参加することもあるのかもしれない。
というか例えば葬儀場に誰かがポロシャツでいたとして誰が文句を言えるのだろうか。
だいたい喪服の定義ってなんなのだろう。
思いつく限りでは黒い服ということが定義なような気がする。
それならば彼はちゃんとルールは守っているということだ。
さらに言えばポロシャツには襟も付いている。
そして彼も彼なりのしんみりした顔をしているように思えた。

すれ違った後、何度か振り返ってみたが、二人の距離は変わらず同じ方向に歩いて行った。

The Washington Post
It's not just hot. Climate anomalies are emerging around the globe.
ただ暑いだけではない。気候の異常が地球規模で発生している

急に少し冷たい風が吹いたと思ったら、続いてパラパラと雨が降ってきた。
見上げるといつの間にか空には黒い雲が掛かっていた。
あ、これは降ってくるやつだ。
急いで走りながら屋根のあるところを探した。
そうしてる間に雨は一層強くなってきた。